フードロスと残薬

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フードロスと残薬、
どちらも一度は耳にしたことがあるでしょう。
ともに大きな社会課題です。
そして、本質は同じだと私は思っています。

農林水産省のホームページによると
わが国で年間523万トン(令和3年推計値)の食品ロスが生まれているそうです。
国民一人当たりに換算すると約114g(お茶碗一杯弱)/日だそうです。

農林水産省 食品ロスとは

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/161227_4.html

一方の残薬はというと、
健康保険組合連合会のホームページによると
かなり古いデータではありますが
2013年の国民医療費40.1兆円のうち7.11兆円を薬剤費が占め、
1000億円以上の残薬があると指摘する専門家もいるようです。

けんぽれん 医療費削減のために!大切なお薬の話

https://www.kenporen.com/health-insurance/basic/05.shtml


残薬が多いことは解りますが、
金額で言われてもいまいちピンときませんよね。

ここで思考停止してしまわずに、
もう少し考えてみたいと思います。

何の根拠もありませんが1錠50円の錠剤で考えてみると
1000億円/50円=20億錠という計算になります。
これまた何の根拠もありませんが1錠の重さが0.1gだとすると
0.1g×20億=20万kg=200トンという計算になります。

仮定がかなり乱暴なことはご容赦頂き、
例えば200トンの錠剤ってどうでしょう?
多いことは解りますが、まだピンときませんよね。

フードロスの523万トンに比べると随分少ないじゃないか


ケタが違いすぎるため、大小関係だけで比較すると
それは正しいかもしれません。
でもちょっと待って下さい。
仮定に用いた0.1gの錠剤には何が含まれているでしょうか?

薬を扱う皆さんならお分かりになると思いますが、
例えば錠剤には主成分以外にも添加剤などが複数含まれていますよね。
その主成分と添加剤はどのようにして作られているのでしょう?

それらの化学合成には原薬と製造用試薬が必要で…
という具合にどこまでも源流へ辿っていくと、
恐らくは植物や動物や鉱物などの自然物に行き着くと思います。
また、それら原薬や試薬の化学合成にはエネルギーも水も必要です。
それらも自然物由来です。

このように考えてみると、
たった0.1gの錠剤1粒を取ってみても
多くの自然物に由来していることに気づきます。

フードロスと残薬って、やってることは同じだと思いませんか?

フードロスをすることには背徳感があるけれど、
残薬は医療費のことぐらいしか気にならない。
もし、そうであれば今日から少し見方を変えてみませんか。

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