洋の東西を問わず、薬の源流は天然物(植物、動物、鉱物)にある。
世界には自然を支配するのは人間とする考え方もあるが、古来より日本の人々は自然を畏敬し、信仰してきた歴史がある。
人体に効能ある天然物から癒しを得ていた頃、人々は火や水と同じようにそれらを神聖なものとして扱っていたのではなかろうか。
しかし、いつしか日本でも西洋薬が主流となり、自然界には存在しない新規化合物の人工合成が当たり前となり、薬は人々を病苦から解放してきた反面で食物とはどこかかけ離れた存在になってしまった。
同時に、私達はその源流が天然物にあることを忘れ、畏敬の念を抱くこともなくなってしまった。
医薬品の製造には水も空気も天然原料も必要なのに。
開発のために生き物の命まで頂いているのに。
医薬品を生業とする全ての人たちへ
私達こそ自然物への感謝の気持ちを忘れてはならない。
科学と哲学と
例えば、
薬の効き方はおおよそ科学で説明がつくが、
薬がその人に効くかどうかは科学で説明しきれないことがまだまだある。
あなたにとって大切な人が、
もしも病で生死の境をさまようような状態に陥ったら
薬の効果を信じますか?それとも神頼みしますか?
私達は決して忘れてしまったわけではない。日常、科学が頭を支配しているだけ。
- 科学が無かった頃の人々が生きた痕跡をたどって、
人間元来の心のよりどころを見つけに行こう。
- 正解のないことに向き合うために自分自身の哲学を探しに行こう。
- 人々の衣食住に関わるモノづくりの担い手に出会い、
森、川、海、生き物を資源とするモノづくりの有難さと
現代の危うさに気づこう。
- 自然物の結晶である薬の現代の担い手として
誇りを持てるようになろう。